「助言・指導」の事例

○ケース1:普通解雇に係る助言指導

(申出内容)
 申出人は、保育士として勤務していたが、理事長から園の方針に合わないとの理由で即時解雇された。解雇理由は不当であるので解雇撤回と元の職場への復帰を求めたいので、助言して欲しい。
(結果)
 被申出人に対し、解雇が有効に成立するためには、労働基準法に基づく解雇予告をするだけではなく、解雇理由について客観的に合理的な理由及び社会的相当性が認められなければ権利の濫用として無効となることを説明の上、要件を満たすか否かを含め解雇について再考されたい旨助言したところ、当事者の話合いの結果、解雇が撤回され、これまでどおりの勤務に復帰することができた。

○ケース2:普通解雇に係る事例

(申出内容)
 清掃員として勤務していたが、得意先からの苦情があったことを理由に解雇通告された。自分としては苦情を受けるようなことはしていないので、解雇通告の撤回を求めたが拒否された。解雇通告の撤回を求める。
(結果)
 解雇理由について就業規則に根拠がないこと及び解雇権濫用に係る判例提示により助言を実施したところ、会社側が和解金を支払うことで合意した。

○ケース3:整理解雇に係る事例

(申出内容)
 申出人は、店舗縮小に伴い解雇を通告されたが、自分が対象になることに納得がいかないので、解雇を撤回するように助言・指導して欲しい。
(結果)
 整理解雇には判例上厳しい要件が課せられており、満たさない場合には権利の濫用として無効となることを説明の上、要件を満たすか否かを含め解雇について再考されたい旨助言したところ、解雇が撤回された。

○ケース4:整理解雇に係る事例

(申出内容)
 申出人は、社長から売上げ不振のため営業車減車に伴い整理解雇すると通告されたが、勤務成績等には問題がないものであって、解雇に納得できない。最終的に解雇はやむを得ないが金銭補償を求めたいので助言・指導して欲しい。
(結果)
 整理解雇の四要件などを説明の上、双方が復職を求めない方向であったことから、当事者双方でよく話し合うことを助言したところ、会社側が和解金を支払うことで合意した。

○ケース5:懲戒解雇に係る事例

(申出内容)
 申出人は、虚偽の理由で休暇を取得したため服務規律を乱したとして懲戒解雇を言い渡されたが、事実は認めるものの処分内容が重すぎるので、解雇撤回を求めたいので、助言して欲しい。
(結果)
 懲戒権の行使は社会通念上相当として認められない場合には権利の濫用として無効となることから、処分撤回を含め当事者間でよく話合うことを助言したところ、懲戒解雇が撤回された。

○ケース6:退職勧奨に係る事例

(申出内容)
 事業主からの退職勧奨を受け入れ退職することとなったが、退職理由を「自己都合」と書いた上で退職届を出すように言われた。退職は事業主からの勧奨によるものであり納得できない。勧奨退職を自己都合退職にしないよう助言・指導を求める。
(結果)
 事業主側に対し、勧奨により退職するのであれば退職理由を「自己都合」とすることは事実と異なるものであり、あくまで退職理由は本人の判断で書かせるべきであることを説明の上、再考されたい旨助言したところ、退職理由については本人の判断で構わないこととなった。

○ケース7:退職勧奨に係る事例

(申出内容)
 申出人は、社長から業務外の物損事故を理由に、自主退職しないなら懲戒解雇することをほのめかされ退職届を提出してしまった。退職の強要であって、精神的損害に対する金銭的補償を求めたいので助言願いたい。
(結果)
 退職届出の意思表示は本人の自由意思に基づく必要があること。意思形成過程において要素の錯誤がある場合には無効の主張が可能となることを助言し再考を促したところ、会社側が和解金を支払うことで合意した。

○ケース8:雇止めに係る事例

(申出内容)
 1年の期間雇用契約を十数年にわたり更新し自動車運転手として勤務してきたが、今期間満了をもって雇止めの通知を受けた。納得いかないので、雇止めの撤回を求める。
(結果)
 事業主側に対し、期間更新が長期間反復されている雇用契約は期間の定めのない雇用契約とみなされ、雇止めは実質的に解雇と判断され解雇に関する法理が類推適用されることを説明の上、再考されたい旨助言したところ、雇用期間が1年延長された。

○ケース9:雇止めに係る事例

(申出内容)
 申出人は、毎年度末までの期限を定めている有期契約社員であるが、2月10日に2月20日をもって契約を打ち切る通告を受けた。これまでに4回契約更新してきており、次回も当然に契約更新できるものと思っていた。契約期間途中での解除には納得できない。少なくとも3月末までの就労を求めたいので助言願いたい。
(結果)
 有期契約が4回の更新をしており、実態は期間の定めのない契約に転化していることから、契約途中での解約には解雇ルールが適用されること。「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」等を教示し、権利濫用のおそれがあるので再考を促したところ、双方が話合い、和解金を支払うとともに2月20日付で合意退職となった。

○ケース10:労働条件引下げ(賃金)に係る事例

(申出内容)
 作業員として勤務していたが、作業能率が悪いことを理由に賃金を日額あたり1,000円切り下げられた。納得いかないので、賃下げの撤回を求める。
(結果)
 事業主側に対し、労働条件の不利益変更(賃下げ)にあたっては、変更の合理性及び労働者の同意が必要とされていることについて説明の上、再考されたい旨助言したところ、賃下げは日額あたり200円程度に変更された。

○ケース11:労働条件引下げ(その他)に係る事例

(申出内容)
 申出人は、会社から突然一日の労働時間を5時間から2時間へ変更する旨の通告を受け、それに納得できないことから、労働時間変更の撤回を求めたいので、助言して欲しい。
(結果)
 個々の労働条件は双方の合意で決定するものであり、労働契約で定められた労働時間を事業主側が一方的に削減することはできないことから、当事者間でよく話し合うことを助言したところ、従来どおりの労働時間で勤務できることとなった。
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